前回までの固定資産税等、利息等の所得税については非課税のお話でしたが、
消費税については、社会医療法人であるからといって非課税にはなりません。
さらに、デメリットと取れる特例が課されますので要注意です。
○消費税が課される法人
消費税法においては、営利法人はもちろんのこと、
国や地方公共団体、その他公共法人、公益法人等、
更に人格のない社団等も法人とみなされ、納税義務が課されます。
ただし、国、地方公共団体、公共・公益法人等の事業活動は公共性が強く、
特殊な点が多い為、特例が設けられています。
そのうち社会医療法人のように消費税法別表第三に記載されている法人に関連する特例は以下の3つ、
①資産の譲渡等の時期の特例
②申告期限の特例
③仕入控除税額の計算の特例
となっています。
①資産の譲渡等の時期の特例について
原則として『譲渡等をした時』とは、
資産の引渡しのあった日や役務の提供の全部を完了した日となります。
国や地方公共団体では法令等により、
民間企業と異なる特殊な会計処理を行っており、
資産の譲渡等の時期の原則を適用すると
実際とはかけ離れたものになってしまいます。
その為、国や地方公共団体では資産の譲渡等の時期や課税仕入れ等の時期を
「収納・支払すべき会計年度の末日に行われたものとすることが出来る」
という特例が適用になります。
別表第三に掲げられた法人も国や地方公共団体に準ずる法人として
所轄税務署長の承認を受けた場合は特例が適用となります。
ただし、社会医療法人は病院会計準則(4章 第32)にもあるように、
損益計算を発生主義で会計処理を行うこととされている法人です。
この特例は発生主義で経理を行う法人は対象となりませんので、
特例の承認を受けることはできません。
次回は②申告期限の特例について触れたいと思います。